トップページ > 私考 > vol.40 それぞれの歯の役割について …


それぞれの歯の役割について - vol.40 -

今回は「歯の役割」に触れてみたいと思います。

永久歯がすべて生えそろうと28歯になります。(親知らず4歯を除く)


歯を見てもらうとそれぞれ大きさ・形が違うのがお分かりいただけると思いますが、歯にもしっかり役割分担があります。


【前歯の役割】
上下顎左右側 合計8歯あります。
前歯の大きな役割は、食べ物を噛み切ることです。最初に噛み切ることで奥歯で効率よく咀嚼するのにちょうど良い大きさにします。

前歯は見た目 審美的役割も大きいことは言うまでもありませんが、発音にもとても大きな役割を果たしています。もし前歯が一部なかったらどうでしょう?空気がもれてうまくしゃべることができないでしょう。そして発音は前歯と舌の接触する位置関係にも影響しますので、歯並びや前歯の裏の形態によっても変わります。



【犬歯の役割】
上下顎左右側 合計4歯あります。
肉食の哺乳類では、食物(獲物である動物)に食いつき切り裂くための牙に相当する重要な歯になります。
とても長い根をもっていて構造的にも強度があります。前歯・奥歯に比べても比較的最後まで残存しやすい歯です。

犬歯は顎の側方への運動に対して前歯・奥歯にかかる負担を軽減してくれます。肉食動物の犬歯とは違い人の犬歯は、食べ物を噛む能力より前歯・奥歯の負担を和らげたり、サポート役といった方がよいかもしれません。



【臼歯の役割】
臼歯には、上下顎・左右側それぞれに2歯ずつ小臼歯と大臼歯があります。ここでは臼歯をひとまとめにした役割を説明します。上下顎左右側 合計16歯あります。(親知らずを含めず)
臼歯の大きな役割は、前歯で噛みやすいように切った食べ物をすり潰し、細かくし、次の消化器官(胃)で消化しやすいようにする働きがあります。そのため臼歯いわゆる奥歯を失うと胃に負担が掛ることになります。

もう一つ重要な役割があります。それは噛み合わせの安定です。臼歯が安定していたり、しっかり噛める環境であれば、なんでも噛むことができ、力も入ります。臼歯がなかったりアンバランスだと瞬発的な力や踏ん張る力が入らないばかりか姿勢にまで影響がでます。

臼歯は比較的見えにくい部位にありますから、「見えないからいいや」と安易に考えている方が多いように思えますが、咀嚼能率や噛み合わせの安定に多大な影響を与えること知っておいて下さい。



【前歯&犬歯の審美的要素】
特に上顎の犬歯から前歯を含め反対側の犬歯(6歯)までが、微笑んだ時に目立つ歯です。前歯・犬歯は形・大きさ・色調などで雰囲気ががらりと違うものになります。

「スマイルライン」と言われる笑った時に素敵に見える歯の構成は、この6歯が要になります。
その中でも犬歯は、たびたび「八重歯」と表現されることもあり、「チャーミングポイント」に値する歯とも言えるでしょう。



【第1大臼歯(6歳臼歯)】
乳歯が生え揃い、一番奥の乳歯の後方より6歳前後に生えてくる最初の永久歯が第1大臼歯です。上下顎左右側に1歯ずつ 合計4歯の大臼歯ですが、なぜ永久歯の中で最初に第1大臼歯が生えてくるのでしょうか?

この第1大臼歯はすべての永久歯が生え揃うための基準になり、噛み合わせの中心ともいえる重要で丈夫な歯だからこそ最初に萌出してくるのです。

第1大臼歯をおろそかにしないで下さい。体が泣いていますよ…



見た目にも咀嚼にも大切な「歯」はこのような役割をしています。
健康を育むのは、健康で丈夫な歯です。



あなたの歯は大丈夫ですか?