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酸による歯の白濁 - vol.24 -

酸蝕症の話題を 私考vol.23で触れました。今回は酸による初期症状の「白濁」の状態を掲載します。


治療途中にダイエットのためグレープフルーツを食事代わりに摂取し、歯が以前よりザラザラしうがいをするとしみてきたため相談を受けました。矢印 赤 はプラスチック製の仮の歯を装着しています。
診査した結果グレープフルーツの酸により歯の表面(エナメル質)が溶け始め、従来の歯の光沢はなく白濁しています。

過剰な酸の摂取で起こる歯の白濁ですが、長期にわたり摂取が続くと酸蝕症のように歯の溶解が進行した状態になりますが、初期の白濁であれば歯の表面本来の状態に戻ります。


回復させるには歯の溶ける原因をまず除去することが第一条件ですので、歯を溶解させる食べ物・飲み物の摂取をやめる、もしくは厳しく摂取制限が必要です。もうひとつ重要なことは歯磨きをするときに研磨剤配合の歯磨き粉の使用を避けることです。白濁した歯に研磨剤配合の歯磨き粉で歯を擦ったら、想像していただいてもお分かりになると思いますが歯に大きなダメージを与えます。よってお勧めな歯磨き方法は歯磨き粉をつけずに磨くことです。白濁した歯の表面が唾液の作用により少しずつ修復をもたらしてくれます。




根管治療と歯磨き指導を行なっていた時期です。
矢印 赤  が仮の歯(プラスチック製)です。
仮の歯以外の自分の歯は光沢があり輝いています。






「歯がザラザラしてしみてきた」と相談を受けた時の写真です。
仮の歯(矢印 赤)以外の自分の歯が全体に白濁しています。






グレープフルーツの摂取をやめ、歯磨き粉を使わないで歯磨きを行なったことで白濁が修復されました。
仮の歯はメタルボンドにて補綴しました。