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再植法

症例 5 - vol.73 -

39歳 男性



「3ヶ月前に歯の神経を除去し、その後最終的な薬を入れ詰め物をして治療が終わりました。治療後も歯茎を押さえると痛みがありその後歯肉におできができたので治療した先生に相談すると、そのうち痛みもおできも治りますと言われたのですが、一向に治らないので不安です。」と来院された患者さんです。




主訴の患歯です。
近心頬側根根尖周囲に透過像(囲い)が確認できます。
このまま様子を見ていても治ることはなく、再根管治療が必要と思われます。


「この歯を治した先生が反対側の根の治療もしました。こちらの歯も不安なのでレントゲン診査をお願いします。以前この歯は内側の歯茎におできができ再治療をしました。最終的に垂直加圧根管充填を行い、もし今回の治療で治らなければ歯根端切除をしますと言われていますが… 大丈夫でしょうか?」と診査希望されました。



根尖周囲に透過像が確認できます。
根管充填剤が根尖と根中央部から飛び出ています。

この歯に関しては根中央部から飛び出した根管充填剤が気になります。
仮に歯根端切除をしてもかなりの範囲の切除が必要になるかもしれません。
よって意図的再植法にて再根管治療と飛び出した根管充填剤の除去をすることにしました。






再植の前準備としてMCrを除去し、Extrusionを行います。
(隣在歯のインレーが自然脱離したため仮充填済)









挺出してきました。









抜歯窩を観察すると、口蓋根根尖から飛び出した根管充填剤が確認できます。




 







口蓋根根尖と頬側根口蓋根の遠心分岐部から歯根外に飛び出した根管充填剤が確認できます。









遠心部の根管充填剤は短針で触ると簡単に除去できました。










根管充填剤を除去すると、穿孔しているのが確認できます。(矢印)









拡大観察
わずかな穿孔部ですが、加圧充填により多量の根管充填剤が歯根外に溢れたようです。









頬側根管からリーマーで探ると、穿孔部からの突出も確認できます。











穿孔部をSBにて封鎖します。









根管を観察すると根管と穿孔部が隣接しているのが確認できます。










拡大観察
根管(矢印 青) 穿孔部(矢印 赤)です。
矢印 赤から遠心分岐部に突き抜けたようです。






 





再根管治療 根管充填 パーフォレーションリペア デブライドメントを行いました。










穿孔修復部









再植直後









1ヶ月半後
根尖部の透過像が縮小してきています。









2ヶ月半後
ビルドアップ テンポラリー装着









3ヶ月半後









6ヶ月後
補綴物を装着しました。
第1大臼歯はコンポジット充填修復









7年5ヶ月後
最終補綴物装着後始めての健診来院でしたが、経過良好です。