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破折歯の接着再植法

症例 20 - vol.98 -

55歳 女性



「最近噛むと痛みがあり、グラグラしてきました。もう抜かないとダメだと思うのですが診て下さい。」と来院されました。




根尖周囲に透過像(囲い)が存在し、近心に破折線(矢印)が確認できます。





 





患歯の頬側及び口蓋側の近心部に破折を認めました。(矢印)









12年前
他医院で歯根破折と診断され相談に見えたときのレントゲン
一時期痛みがあったようですが、現在症状がないため治療保留を希望されました。





12年間のうちに時々痛みはあったようですが… 最近噛むと痛みがあり、グラグラし症状が引かないため再来院されました。
かなり条件が厳しいですが、保存を強く希望されたためダメ元で外部接着再植法にて対応することにしました。








抜去歯を観察すると… 髄床底から支台(矢印)が広範囲に突き出ています。
支台形成時及びセット時にこの穿孔が気付いていなかったのでしょうか?









支台を除去し、再根管治療 根管充填後破折部の接着修復を行いました。
広範囲に穿孔しています。












再根管治療 根管充填 接着修復 デブライドメントを行いました。
髄床底の広範囲な穿孔により分岐部内の歯根膜組織の消失 そしてセメント質添加 剝離が著しいため、このまま3根を活用した保存では将来的に不安が残ることから、少しでも感染源を少なくし強度を補いたいため、コア材 + SBにて3根を1根にしました。
残存している歯根膜組織での回復を見守りたいと思います。








再植直後
清掃性を考慮しやや遠心寄りに固定しました。








1ヶ月後








2ヶ月後








5ヶ月後








6ヶ月半後








10ヶ月半後








1年2ヶ月後








1年4ヶ月後
最終補綴物を装着しました。