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破折歯の接着再植法

症例 19 - vol.94 -

48歳 女性


「この歯は日本で20年前にむし歯で神経を取り被せ物治療をしました。15年前に仕事の都合で海外にいる時に受診した歯科医院で内側に入っている歯にこんな被せ方をしないでしっかり歯の並びを整えて被せ物をした方が良いと指摘され、歯を前に移動して再治療しました。その後帰国し5年程前から歯肉が下がり始め違和感があるため、歯科医院を受診したら歯根破折によって骨が溶けているので抜歯してインプラントを勧められました。その後他の歯科医院や大学病院を受診しましたが結果は同じでした。インターネットで歯根破折のことを調べたら、近隣に歯根破折歯の接着治療を行う歯科医院があったため受診しましたが、骨が溶けている場合は接着修復できないと言われインプラントを勧められました。そこで初めて膿が出ていると指摘されびっくりしました。それでも諦めきれないため、浜松まではちょっと遠いと思いましたが接着治療が可能なら受けたいのですが…」と来院されました。





 


 








歯根近心面に付着したプラークを除去していくと破折線が認められます。(矢印)









歯周ポケットにエアーをかけるとポケット内から排膿が認められます。(矢印)









遠心面にも多量のプラークが存在し、破折線らしき段差も存在します。

 







遠心の骨に透過像を認め、骨吸収が確認できます。








咬合による負担をなくすため補綴物と支台の一部を除去し、シェルテンポラリーを両隣在歯と接着して自然挺出を試みました。
少し挺出してきたタイミングで外科処置に移行します。









唇側部が歯根破折し、口蓋側部にはクラックが確認できます。


 








再根管治療 根管充填 接着修復 ファイバー補強 デブライドメントを行いました。








再植直後
清掃性を考慮し歯間中央にて固定しました。








1ヶ月後








2ヶ月後








3ヶ月後








4ヶ月後








6ヶ月後
ビルドアップ テンポラリーを装着して1ヶ月後


 









9ヶ月後
最終補綴物を装着しました。








1年3ヶ月後