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破折歯の接着再植法

症例 3 - vol.18 -

63歳 女性



「噛むと違和感があり、時々歯茎におできができるのですが…」と来院されました。


舌側の歯と歯の間にサイナストラクト(旧名 フィステル)が確認できます。






レントゲン診査では第2大臼歯近心部に広範囲わたる骨吸収像を認めます。
診査の結果歯根破折を疑いましたが、「違和感程度なのでもう少しこのままで様子を見たい」と患者さんが希望されたため経過観察することにしました。







数ヶ月後 
「徐々に違和感が増し、あまりこの歯で噛みたくないんです。」と再来院されました。
サイナストラクトよりGPを挿入すると、みるみるGPが入ってしまいます。







GP挿入時のレントゲン写真
以前より骨吸収の範囲が広がり、深さも根尖近くまであることが分かりました。
根尖周囲までの骨吸収が認められるため、抜歯後親知らずの移植(親知らずには対合する歯がありません)
または保存できるか半々ですが、可能性として破折歯の外部接着再植法を提案しました。
患者さんは「ダメになればいつでも抜く覚悟がありますから…」とまずは保存治療の破折歯の外部接着再植法を選択されました。







安全に抜歯を行うための準備として、Extrusionをしました。








抜歯すると骨のない側の根にはしっかりと破折線が確認できました。
幸にも根尖~反対側には破折線は認められませんでした。
肉芽の掻爬、破折線の処理、逆根管充填、デブライトメントを行いました。







再植直後







1ヶ月半後
歯肉も安定し、噛んでも違和感が消失したためコア材をビルドアップ







3ヶ月半後
骨が少しずつ回復してきました。
噛んでも全く違和感ないようです。







8ヶ月後
骨が緻密化してきました。
患者さん曰くすごく調子がいいようです。







11ヶ月後
最終的な被せ物を装着しました。
 






補綴物装着 2ヶ月後
何ら問題なく過ごせているようです。







補綴物装着 8ヶ月後







補綴物装着 1年後 (外部接着再植 1年11ヶ月後)