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破折歯の接着再植法

症例 22 - vol.106 -

58歳 女性



「1年程前に詰め物が外れ家庭の事情で最近まで放置していましたが、このままでは良くないと思い歯科医院を受診しましたが、歯が割れているので抜歯しかないと言われました。抜歯が嫌だったのでインプラントの有名な先生の意見を聞きたくてセカンドオピニオンで受診しました。そこでもこの歯の治療法はなく、抜歯してインプラントを勧められました。手前の歯にも病巣があるので、ブリッジは厳しいようです。抜く前に何か治療法がないか調べていたら先生のHPを見つけました。」と相談で来院されました。








患歯(矢印 赤)は近心~遠心にかけて破折しています。
近心~分岐部にかけて透過像が認められます。
今のところ抜歯して義歯・ブリッジ・インプラントはできるだけ回避したく、透過像が広範囲に存在し特に近心根の温存は厳しいかもしれませんが、治療してダメなら最終的に抜歯でも構わないと強く外部接着再植法を希望されたため、引き受けることにしました。
手前の第2小臼歯の根尖に透過像が認められ、歯根吸収像も確認できます。(囲い 黄)








対合歯と咬合した状態だと更なる破折の拡大、炎症が広がる可能性があるため、歯冠部を削合し、1ヶ月間ブラッシング指導で様子を見ることに…
レントゲンの角度が初診時より少し異なりますが、患歯の近心根周囲の透過像が少し薄くなってきた感じがします。









外部接着再植に先立ち、Extrusionを行います。









順調に挺出しました。









破折状態


 









根管治療 根管充填 接着修復 ファイバー補強 デブライドメントを行いました。









再植直後









1ヶ月後









2ヶ月後









3ヶ月後









4ヶ月半後









6ヶ月後
ビルドアップ テンポラリーを装着して1ヶ月後
近心根の歯槽硬線が明瞭になってきました。









第1大臼歯 外部接着再植1年2ヶ月後
第2小臼歯 再根管治療7ヶ月後









第1大臼歯 外部接着再植1年3ヶ月後
第2小臼歯 再根管治療8ヶ月後









第1大臼歯 外部接着再植1年5ヶ月後
第2小臼歯 ビルドアップ テンポラリーを装着して1ヶ月後








1年7ヶ月後
最終補綴物を装着しました。