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生活習慣病 Part 10 具体的に悪い習慣を直す「三つの段階」 - vol.96 -

具体的に悪い習慣を直す「三つの段階」


第一段階   正しい情報について学ぶことです。
      この薬を飲んでいれば健康は保たれるという夢のような薬などありません。
      自分の健康は自分で築いていく以外ないのですから、まずは正しい健康情報に接するようにして
      下さい。

第二段階   いくら知識、情報を仕入れたところで、それだけでは意味がありません。
      それを自分の問題として受け止め考えてみることが必要です。

第三段階   実行です。
      強制されるのではなく“自分の意思でやってみよう”と自分自身で決断し、それを実行する。それ
      もずっと長い間継続できる効果的なやり方で取り組みます。



この三つの段階は言われてみれば当たり前の基本的なプロセスですが、正しく三つの段階を踏むことが大事です。
例えば「減塩」しようと思ったとき、減塩の重要性をそれほど意識せず、とにかく塩分を減らせばいいだろうという程度の認識で減塩を始めても、なんだやっぱり味が薄いので美味しくないとすぐに元に戻ってしまいます。塩分を減らすにはこういう意味があり、こういう病気を予防するんだときっちり位置づけして行動する必要があるのです。

豆知識
食物として食塩を摂り過ぎると、血液中のナトリウムが増えます。その結果、血管が収縮したり、血中の水分が増えたりして血圧の上昇を招きます。また心臓にも負担を与えます。




またむし歯がたびたびできるため「砂糖摂取制限」をしようと思ったとき、日頃の自分の摂取量を知り、これにより口腔内では何が起こっているのか把握すること大切です。そして制限をしたときの口腔内変化も比較することができれば効果的です。

豆知識
砂糖は口腔内細菌の餌になり細菌を増やします。結果的にむし歯の発症や歯周病を増悪させてしまい、身体の抵抗力や免疫力をも低下させてしまいます。




目標設定があるから行動計画が出てくる
習慣を変えるには戦略が必要です。戦略というと大げさですが、要するにどういう習慣を変えたいかを明らかにし、それをどう実現するかというデザインを考えるということです。
それにはまず自分の習慣の問題点を分析し、たとえばタバコをやめる、塩分を減らす、糖分を減らす、摂取カロリーを下げるというように目標を決め、ではどうすればよいのかをデザインしていきます。
デザインしたら実行に移りますが、本人が努力しなければ何にもなりません。
 
  
あなたが家族を持っているなら、あなた一人の行動はあなた一人のものではありません。家族を大切に思うなら自分をもっと大切にするように努力してほしい。あなたが何か人生設計を持っているのなら、その実現のためには健康であることが大切ではないですか。実際、将来自分はこういうことをしたいという目標を持っている人ほど、悪い習慣を変える必要に迫られたとき、それをすぐに実行に移すのです。
あなたの人生の目標は何でしょうか。それを実現するために、どんな生活習慣が力になってくれるでしょうか。あなたの健康と人生をあなた自身でデザインしてみて下さい。





周囲と肩をならべていないと安心できない
良い習慣を身に付けようと努力しているにも関らず、その努力がうまくいかない場合があります。それは環境の問題です。環境が悪いと本人の努力だけではうまくいかないことが出てきます。
本人がいくら健康維持のために悪い習慣を断ち切ろうと思っても、それをなかなか許してくれないのが日本社会です。
典型例が酒場です。「なに、飲めない、情けないこと言うな」とか「俺の酒が飲めないとはどういうことだ」なんてことをよく耳にするでしょう。「まあ そういわずにつきあえよ」と半ば強制的に飲ませるのが日本の社会です。周りと合わせないと雰囲気が壊れたり、場がしらけるのでついつい付き合ってしまいます。
  

職場でもこんなことがあります。
「お菓子やお土産が毎日のようにみんなに回ってくる環境です。誰かがお菓子を配れば、また翌日にお礼と言わんばかりにお菓子が回ってきます。休み明けは特に多く、断るのもカドがたち人間関係が悪くなることを恐れついつい頂いてしまう。
  
日本人はとにかく周囲と肩を並べていないと安心できない傾向があり、一人その輪の中から抜けると村八分扱いになったりもします。これは困ったものです。

 



やる気をそぐ「どうせダメ」  
習慣を変えるにはまず本人の意志がなければいけませんが、それにも増して大事になるのが周りの協力です。ほんの些細なことでも意志がくじけてしまうものなのです。せっかくのやる気をそぐ言葉が、家族の「どうせダメ」という言い方、「無理無理 これまで何回も失敗しているんだから」「どうせすぐに気が変わるよ」という言葉ほどやる気をそぐものはありません。周囲は決断した人をもち上げるように接してあげて欲しいものです。
家族で一致団結して行わないとうまくいかない場合もありますし、友人に協力してもらう必要も場合によってはあるでしょう。
   




仕方なく…
医師に言われたから仕方なくとか、女房がうるさいので仕方なく変えるというのでは、習慣を変えること自体が新たなストレス源になってしまいます。また仕方なくやってみようでは体を支えている細胞の活性が半減してしまいます。気持ちの上で自分が奮起しないかぎり細胞も奮起しません。あくまで習慣を変えるというのは、その必要性を十分認識した上での自発的行為でなければなりません。
一つでも悪い習慣から抜け出ることができれば、どんどんいい方向に自分を変えていけるでしょう。





結果を早急に求めない
例えば、タバコを吸っている人が言い訳のように言う“理屈”に次のようなものがあります。
タバコは確かに体によくないと思うが、禁煙するとイライラする、だからかえって禁煙は体に良くないのではないかと…
  
なぜタバコをやめるのか、動機付けも認識もできていないのです。これでは習慣を変える努力がつらいだけで、喜びにはならないでしょう。
自発的行為でタバコをやめたとき初めて食事がおいしくなったとか、物の味がよくわかるようになった、体調がよくなってきたなどの喜びが心の底から味わえるのです。しかし、相当認識してタバコをやめたとしても、しばらくは必死の努力が必要です。やめた状態が習慣になるにはある程度の時間がどうしてもかかります。
もう一つ注意しておきたいのは、「結果は問わない」ということです。結果がいいか悪いかなどを気にしていたら、自分がやったことに対する満足感もなく、ストレスが溜まるだけです。
タバコをやめる 酒やめるというときでも、やめた自分を大いに褒めてください。そして、「せっかくやめたのに、少しも体の調子がよくならない」などと結果を早急に問わないようにするのです。そうすれば必ずいい結果が出るはずです。




悪い習慣は良い習慣と異なりほとんど無意識に行っていることが多く、快楽や快感を伴う悪習慣は、続けているうちに回数や量が増える傾向にあります。
自分への満足度を求めるあまり、目先の誘惑に負けてしまうのです。



生活習慣病についていくつかの項目を挙げ記載しましたが、正直こうあるべきという答えはありません。各々の身体にはそれぞれの個体差があり、各々に数字や量で示すことはできないからです。そして悪い習慣とされているものの中に、その人にとっては悪い習慣ではない場合もあるからです。

しかし、生活は習慣によって作られています。習慣に振り回される生活と習慣をコントロールする生活では大きく変わりますので、自分の生活習慣はどうだろうかと見直すことも必要です。



何の知識もないまま漠然と生活していたら防げることも防げないため、少しでも役に立てばと思い項目ごとに簡単に記載しました。(Part 1 ~ Part 10)


参考にして頂けたらと思います。